:京浜運河の主な貝の写真と詳細
  

コウロエンカワヒバリガイ 
運河の中では岸壁、石積み護岸に極く普通に見られる貝です、又砂浜に打ち上げている貝では一番多い貝です。
ニュージーランド、オーストラリア方面からの移入種であることが最近判明した様です、大井北埠頭橋の所で2001年に5.1cmの大きな個体が採集出来ました。
大体大きくても4センチ位ですが、5cmの個体は1975年から見ていての最大のものでした。
 下の写真はコンクリート壁に密集して見られる一部分、フジツボ帯の下部に群落を作っています。
    幼貝の色々、光が当たると深みのある反射が見られます。
    


イガイダマシ
北アメリカからの移入種で。北埠頭橋付近では非常に多く
生息しています。
岸壁にはあまり付いていなくて、ほぼ干潮線の最下部
以深に生息しています、写真の様に小石に付着したまま
打ち上がる事が多く見られます。
北埠頭橋の所ではスーパーのビニール袋に一杯取る事も
容易で有るほど打上げています。  
 2005年、塩分が濃くなったためか減少しています 
               
ミドリイガイ 
東南アジア方面からの移入種です。東京湾では1984
年に丹下氏が見つけたのが最初ですが2年後(1986
年)に運河の砂浜で打ち上がった生貝を発見、ムラサ
キイガイの殻の色を緑色にした感じです。
北埠頭橋の所では2002年現在も生貝の観察も可能
です。冬の寒い時期、木杭に付いている個体は寒風の
中にさらされますがが毎年春の大潮の干潮時には生
きている個体が観察出来ます、只10cmになるような
大きな個体は無く大体7〜9cm位であり、冬を越せる
のは若い個体のみと見られます、冬の干潮時、露出時
には仮死状態でいるのかも知れません、現在生貝の
見られる範囲は温排水の脇50m位の範囲でありそれ
以上になると干潮時にも見られません、中央公園の浜
には小さなミドリイガイは打上げていますが、水温10
度位が限界と見ています。 

東京湾内には2グループの生息?
 京浜運河では毎年12月頃に幼貝が見られますが、
もう一つ5月頃に見られるグループが存在していると見
ています(5月に千葉県内房竹岡萩生港で網にかかっ
多くの幼貝を見ています) 

幼貝の大きさに半年の差が見られています。


ミドリイガイ 幼貝
                      
ウスカラシオツガイ
  形は非常に変化します
京浜運河内では1989年3月に温排水の中で釣り人によりかかったゴミの中に付着しているのを始めて採集、名前は長いこと判明しませんでしたが仮称としてウスカラシオツガイの名前が付いていました、最近正式にウスカラシオツガイとされました、1996年大増加し打上に何時でも見られる貝になりましたが1999年アサリと共に激減、2002年3月現在も回復してはいない状態で、盛期の5%位になってしまいました
2003年6月の状態では盛期の80%位に回復しました。






              
 クレハガイ
採集記録は1979年と古いですが、2個体目を得たのは
17年後の1996年でした。
その後、2000年に打上で13ヶ(6月〜9月)、2001年
には27ヶ(4月〜12月)で、2002年2月になっても数は
少ないが打上は続いています。 
2000年には打ちあがる場所は限られた場所のみでした
が2001年には打上げる場所も拡大しました、また打上
げ期間も大幅に伸び一年中(冬は非常に少ない)見られ
る貝になるかもと見ています。
大井中央公園でも2002年2月に打上げ3個体、大井
埠頭の京浜運河全体に広がった様です。
また舟橋の海浜公園でも、と東京湾奥全体で増加して
いる様子です。
2003年6月までの状況から定着種としました。
但し、定着開始は安定して見られ始めた2000年より定着
としています。

下の写真の二枚貝はホンビノスガイの放射模様のある幼貝


                   
  
ホンビノスガイ
北アメリカ、大西洋岸の貝ですが1999年10月に
半片を採集、図鑑にものっていないので始めは判
かりませんでしたが岡本正豊氏にお教え頂き判明
致しました、原産地ではチェリーストーンと呼ばれている
との事です、2000年も半片ばかりで数も非常に少
ない状態でしたが2001年になって始めて生貝の
打上げが見られるようになりました(生貝では8.
5mm〜3cm)が、1.3cmの貝を5月に、8.5mmを1
0月にそれぞれ生貝の打上げで得ましたが、この
関係で産卵期が判らなくなってしまいました、今
後、数が増加すれば何かしら分かってくるものと思
います。
現在までの最大は5.5cm、 現在まだ増加傾向で
す。
2002年3月において潮干狩りの人3組でそれぞ
れアサリに混じって取れていました、どうやら運河
内でも定着したようです、又近い内に潮干狩りの仲
間としてアサリに混じって必ず見られる貝になりそ
うです。

現在見られているのは、東京湾奥千葉県側とこの
京浜運河で神奈川県側では採集されたとの情報
は未だ得られておりません。
上の写真は幼貝、10cm位の大きさになるようで
す。
一番下の写真は放射模様の入った個体、水で濡ら
して模様を強調しています、100個体以上を見ま
したが、この1個体のみでした。
 貝類同好会の会員で築地魚市場の石川氏
の話では、模様の入ったホンビノスが混じって入荷
することもあるとの事です。


 
  
   



  ホンビノスガイ 幼貝





模様入りのホンビノスガイ

アサリとホンビノス アサリは運河でも最大級の大きさです
      
シマメノウフネガイ
北アメリカ、カルフォルニア地方原産であり日本国内では
1969年に間瀬氏が最初に三浦半島で見つけた貝ですが京浜運河で
は1986年にミドリイガイの殻の上に付着しているのを見つました、199
5年までは釣り人の上げてくるミドリイガイ、アカニシ等に付着しているの
を見るだけでしたが、1996年からは打上でも何時でも見られるようにな
りました。
このシマメノウフネガイ、ミドリイガイとムラサキイガイの混生場所ではミ
ドリイガイに優先的に寄生しているのが見られます。  

付着する場所で形は変化します。
  

    



  
オオノガイ



 オオノガイ 成長順(幼貝)
1996年に始めて見る事が出来ましたがそのまま定着、砂
を掘ると 結構見つかりますが、大きい個体でも7cm位で
小さい個体です。
    
 クリイロカワザンショウ
両者とも小さい貝で運河の中では、クリイロカワザンショウ、ナギサノシシタリ共に石積み護岸の高潮帯に棲息しています。東京湾奥ではクリイロカワザンショウがいればナギサノシタタリがペアーでいる様に見られます。
京浜運河内での生息個所は4箇所のみで限られた場所のみに棲息、個体数は両者ともに非常に多産です





ナギサノシタタリの写真は貝が小さいので分かりにくいですが写真の下半分白い米粒のような貝は全てナギサノシタタリです。 2002.3月撮影

ナギサノシタタリ

イナザワハベガイ 
初めて1993年に見られました打上げで死貝でしたがわりと大きな個体で
す、2001年には横浜の鶴見の京浜運河でイナザワハベガイの生貝が採
集されています。
 2003年、2004年、2007年、2009年 各1個体と全て打上の死貝ですが
合計5個体が得られています。 
 

                      
                  
ムギガイ 1995年に釣り人のゴミの中に白化していましたが模様もしっか
りと残っていた個体を1ヶ見つけたのが最初で有り記録をとってい
ましたが、2000年、2001年と新鮮な死直後の個体が見られるよう
になりました、又、生貝で2個体ほど打ち上げました。
ここの個体は模様、色とも全て単一で個体間の変化が見られな
いようです。
運河内では非常に少なく、写真は2000年、2001年に採集した新
鮮殻。少しずつ数は増えています。
   
シゲトウボラ  通常は外海の貝ですが、こんな場所で採集出来るとは思って
いなかった貝です、写真は、いずれも砂浜に打上がった個体で
す、内2個体は厚い殻皮が完全についた状態で打上げ、この厚
い殻皮は非常に脱落し易く手でそっと持っている状態でもちょっ
と乾燥すると脱落してしまう程付着が弱いものでした。
写真左から1998年11月、2000年4月、9月の打上げ個体です。

2012.9月 死んでの打上ですが成貝が1個体打上がりました。







    バテイラ  時々打ちあがりますが生貝は未だ見られません、捨てられ
た貝としては打上げ期間が長すぎ、(捨てられた貝では約2ヶ
月で見られなくなる)年により打上げ数がランダム、全く打ち
上がらない年もあり、捨てられた貝、埋立土砂の貝の打上げ
方とも違っており生息していたものと見ています。
 
 ウチムラサキ (幼貝)
997年に1個体、2000年に急増した、合弁で30個
体以上、2001年10個体と減少、毎年6月頃に見られ
ますが全て幼貝であり、この写真の大きさのみです。
2001年に大型の合弁が打ち上がりましたが、これはど
うも捨てられた貝の様で記録のみにしています。

 
 

ヒメシラトリ
1996年に出現し、そのまま定着したが、数は少ない。
1999年のアサリの激減と共に殆ど見られなくなり、2001年は古い半片のみ、2002年9月にやっと回復基調に


チヨノハナガイ


 内湾の代表的な貝ですが、中々現れず2000
年にやっと現れたましたが2001年には減少し
てしまいました。
今年も現れるか不確定な貝。
右端の穴の空いた貝は白化しもろくなった貝で
6月に現れ6月後半にはこんな状態になってし
まいます、5月末頃現れ7月始めで見られなく
なってしまいます。
 同じような出現状態にキセワタが見られま
す。
幼貝
 キセワタガイ

   

 運河内に現れたのは1996年が最初です
その後、年により現れたり、見られなかったりと
出現の予想が出来ない貝です。
生きているときは、殻は体の中に隠れている。
右から4個目までは、死直後の軟体付きで、
左の2個は殻のみ打上すでに白化状態です



ハナグモリ

 この貝の出現も古いですが、何時現れるか
全く分らない状況、定着の足がかりも掴めない貝
江戸川放水路では多く見られた貝。

ウネナシトマヤガイ

 汽水域の貝として図鑑等で紹介されていま
すが運河のこの場所には中々現れなかった
貝です、運河の入り口の近くでは早く確認は
されていましたが、2002年になって見られ始
め、生貝が生息する事が確認出来ました。
但し、定着出来るのかは今後の観察に寄りま
す。
左上は2002年7月、打上個体、左下は2003
年3月、右下は幼貝2003年2月打上で得られ
た個体。

       
 
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