1.
運河内の貝種類数 遇因分布種等 グラフ
注) このグラフは品川区の北埠頭橋付近の京浜運河での記録です。
又、2003年からは、大井中央海浜公園でのみ見られる種類が
生息するようになったので、大井埠頭内京浜運河の貝として含めています。
リストに簡単な記述があります。
2010年までで 総記載種は98種となりました。
外国産移入種に付いては京浜運河での観察であり、東京湾内での
最初の記録を表したグラフではありません
2.年毎に現れた新記載種
新たに記載した種類を年度毎に種類数のみで作成したグラフです。
1996年、2000年、2004年と3回のピークが有ります。
○ 1996年は、前年に目黒川に下水処理水を放流する事に現れた現象です、この時の種類は東京湾奥
で見られる内湾種でした。
○ 2000年は、前年に東京駅の地下水を品川区の立会川へ放流した事によって現れた現象と思っていま
す。
この年、貝よりもカニの種類が増えて、ガザミ、マルバガニ、モクズガニ等が初めて見られました、内
マルバガニは、この年から定着しました。
貝の方は余り増えたと云う印象はなかったのですがグラフにして見ると明確に変化が出ていた事が
分りました。
○2004年は、1996年と匹敵していますが、貝の種類は、東京湾外湾又はその近くからの種類が殆どで
す。
この現象は、2002年5月に砂浜が流される程の高潮が発生して2003年、2004年もその現象が続い
た事により湾奥まで外海の海水が流入した結果の遇因分布種と見られる種類でした。
ただ、前2回のピークは要因の翌年に現れましたが、今回のピークは高潮が始まった翌年ではなく、
その翌年、2年かかって変化が見られたと思います。湾奥の汚れが流されるのに1年を余計に要した
印象も受けます。
3 各年度に見られた遇因分布種
各年度に見られた、遇因分布種だけを記録からグラフ化して見ました、まず京浜運河では普段見られない貝と
しています、個人的な見方が強いですが、今までの観察から見た貝を上げて見ました。
その年度のみで一時的に見られて繁殖する事はないと云う種類のみ上げています。
1996年 運河に流れ込む目黒川に前年から下水処理水を流すようになり、この年は三番瀬に見られるような
貝が初めて現れた年です。
2002年 運河内に強い 流れが突然生じ砂浜の砂は流され北埠頭橋では多くの生き物が死んだ年です。
その為、砂浜に打ち上がる貝は殆ど流されてまともに貝が見られない感じの年でした。
その為、激減しています。
2004年 運河内の底のヘドロが流された事と塩分が比較的高い濃度、やや弱りながらも海の流れは続いて
いたのとで推移しての好環境となったためか急激に外洋種が現れました、1個体のみではなく
同一種で複数個も見られました。
2002年、2003年を経て(約1.5年を要して)の変化でした。
観察からは2004年,2005年が運河の中は一番良かった時と感じています。
2010年 良かった2004.2005.2006年が過ぎて、少しずつ運河の中は2002年以前の状態に戻り来つつ有る様
に思えます、これからは水質の改善による効果がどの程度出て来るのかがこの遇因分布種グラフが
示してくれるような気がします。
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