1975年からの観察ではグラフの様に1996年に、大きな変化が見られています、それまで少しずつしか種類が増 えてはおりませんでしたが、1996年には今までにないような多種類の増加、極少産種の激増による打上げの開始 等目に見えて良くなっています。
この大きな変化としては1995年に目黒川に下水処理水を放流し始めたのがきっかけではないかと思っています、
やはり水は流れるときれいになると言われていますが、それが出て来たのではないかと思っています。
その後1999年、2000年とアサリの壊滅状態が見られましたが(この時は大雨による江戸川放水路からの放流が影
響したと言われています)他方2000年からは、クレハガイの打上げ開始、また、今まで見られなかったカニの種類で マルバガニ、、ジュウイチトゲコブシガニ、ガザミ、砂で出来たツノガイのような棲管を持つウミイサゴムシ等も打ち上 げで見られるようになりました。
また、観察し始めの様に運河で大雨が降るとハゼが海面に浮き上がり、セイゴ(スズキの幼魚)は手掴みで取れる
位に弱り、更に1週間ハゼは釣れなくなると言う事もなく、少し位の大雨では影響はなくなったようです。
観察の記録では、間違いなく運河内では良くなっていると見ています。
2000年からは1996年から認証の始まったISO14001の環境マネジメントの効果が見られて来ているのかもと見ら れます。
ただ海の汚れを表すCODではほとんど変化がないとの事ですがCODとして検出される中身に変化が出ているので
はと思っています。
2002年に比較して2003年は運河の水質は更に良くなっています。確認される貝の種類数も更に増えていま
す、他にもモクズガニの出現、イソギンチャクの増加等少しづつですが確実に良くなっている様に感じていま す。
2002年急激にCODが上がっています、この年は5月末近くに、砂浜が大きく崩壊した年です。
月別の状態は分りませんが、おそらく5月までは以前の状況と同じと思います、6月以降には大量の砂が 流される状態でした、おそらく底に溜まった汚れ等が巻き上げられて高い値になったものと思っています。
逆に2003年はCODの値が極端に低くなっていますが、2003年も海水の勢いが強く砂浜は移動を繰り返して
いましたので逆に運河の汚れが流れ去ってしまった結果ではないかと思います。
2003年にはアサリとホンビノスガイの大量出現が有りましたが、これはアサリがほぼ絶滅状態になってか
らの回復期ではと思っています、又ホンビノスガイは移入してからのやはり増大期と偶然重なったものと見 ています。(2003年では運河での新記録種は通常のペースでした、2004年になって新記録種がかなり増え ています)
2002年北埠頭橋の砂浜が大きく崩れる直前からのCODの変化です。
先日 図書館で砂浜が流された時からのCODの測定値が記載された図書を見つけましたので、運河の
状況と重ねて見ました、近くの鮫洲橋の値という事ですが。
5月の値は5月15日との日付が有りました、砂浜の流される直前です、その後7月には高い値になって
います、2ヵ月毎との事で多分砂浜が流され始めた直後でもっと高い値になったと思います、月日を経る ごとに低い値になっています、多分外海からの海水の強い流入によるものと思われます。
2003年は2004年、2005年の今の様に、外海からと見られる生物は見られませんでした、砂浜も変化が
続き、まだ底の動きが激しく安定していなかったのかも知れません、そして、運河内の汚れは殆ど流れ 去ったものと思います。
でも汚れは何処へ?
2004,2005と汽水域では考えられない様な貝、カニ等が見られています、自然の力が作用して現在の
状況になっているものと思っています、多分、東京湾奥の京浜運河だけの特有の現象だけでなくどこか で他にも同じ様な現象が起きているのではと思っています。
2008年11月 追加 1992〜2007年まで
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京浜運河の初期から2005年現在まで