2004年7月〜12月まで

 2004年7月4日
    今日はサザエとアワビとシナハマグリが全て捨てられた貝ですが、運河にはこんな貝も。
   今日は潮が良く引きました、アサリ堀りの人も多く出ていましたが、ホンビノスガイが沢山採れていました。
   採って持って帰る人とそのまま放置する人がいて、生貝が沢山見られました。
    今日はそんな状況でホンビノスガイはもう珍しくもありません、又何時でも見られる打上貝の1種類としてグラ
   フに追加しようと思っています。
    
 ホンビノスガイ 運河の中で見た現在までの最大個体   食べて捨てられていたホンビノスガイ 
  アサリ採りで採った方に写真だけ撮らせて頂きました。  内側の紫色の着色状態(少し見えずらいですが)
  膨らみは結構有りました。                  白いものも結構見られます。
                                    今日はこの中に3個の模様個体が有りました。
                                    普段、沢山のホンビノスガイを見ていますが、不思議に
                                    模様個体を見るときは複数で見ます。
  北埠頭橋の所では1箇所のみカワグチツボの良く上がる場所が有ります、去年まではほんの少しでしたが
  今年はかなり増えています。
        
    死んで打上がったカワグチツボ           ついでに運河内で初めて見たカイメン?です。
  (実体顕微鏡を使ってデジカメで撮って見ました)    (今まで気が付かなかっただけかも知れませんが)
  カワグチツボは小さな貝ですが、採集した1個体の口の中に幼貝が入っていました。 
  その他北埠頭橋ではアメリカザリガニが複数打ち上がっていました。 塩分は1.8%でした。
  中央公園では、バケツの中に大きなタイワンガザミが採れていたのを見ました、貝の方はヒメマスオガイの打上 
  がかなり減ってきて今日は半片1個のみでした、早春から今頃の季節に現れるのか、一年中を通じて見られるの
  か良く分かりませんが観察をと思っています。
  その他、非常に新鮮なマメウラシマ、クレハガイ、クチキレガイ、タクミニナ、カイコガイも一つ(今まで埋立土砂から
  は見ていない種類、捨てられた貝の可能性の方が強い様な) 塩分は同じく1.8%でした。 
7月11日
  今日は小潮で昼間の引きは弱く、中央公園も、北埠頭橋も砂浜は小さい状態で打上貝は少なく特別な貝は有り
  ませんでした。 
   先週、ホンビノスガイの大きなのを見ましたとの事で写真を掲載しましたが、運河のいきものの紫煙氏が更に大きな
  10cm程のを見つけたとの事でした、多分1999年に初めて見つけた時と同時期のものが生き残って成長したも
  のと思います。 先週私が見つけたものはその翌年に生まれたものと思えます。 10cmの貝は5年半かかって
  此処まで大きくなり、9cm弱の個体は4年半の個体と思っています。
   この様な情報を教えて頂けるのは大変うれしく思います。 もう一人の運河の定点観察者の紫煙氏に役立つ
  情報をこちらからとも思っています。     
  今日は潮が引かないので、中央公園から廻って行く様にしました、北埠頭橋では多分砂浜は未だ出ていないの
  で後回しにして、両方ともに予想以上に潮が上がっていたので、中央公園ではアマオブネを重点に探して見まし
  たが見つかりませんでした。
   けれどもアラレタマキビを運河内で初めて見つける事が出来ました、たった1個体ですが今までいくら探しても
  見つからず、何故ここにアラレタマキビしか見られないのかずっと疑問に思っていました。
  やっと見られたアラレタマキビでしたが、写真のみで元の所へ、三浦半島各地、金沢八景の野島にも普通に見 
  られる貝ですので無理に標本としては採集はしませんでした。
    これで運河内で見つかった貝は疑問種を除いて73種類になりました。
     
     左運河内で始めて観察されたアラレタマキビ、右 同じ位の大きさのタマキビ(比較のため)
   その後、潮が下がらないので、今年未だ観察をしていなかったナギサノシタタリとクリイロカワザンショウの
   状況を
      
    ナギサノシタタリ密集している所              クリイロカワザンショウ 
   久しぶりに見て見ましたが両種とも健在でした。
   今日の塩分は北埠頭橋 1.5%、 中央公園 2.0%でした。 
   
  7月18日
    午後から貝類同好会の集会に、午前中だけ少し観察、ナミガイの幼貝の様なやや壊れた合弁を2個採取、
   その他久しぶりにウチムラサキの1cmの合弁幼貝が、ウチムラサキは小さな幼貝ばかりで、中程度の大きさの
   個体は今まで採集されないので運河内では、これ以上の大きさには育つ事が出来ないようです。
    それと北埠頭橋としては初めてヒメマスオガイを採集(半片だけですが)しました。
    下の写真はナミガイ?の写真です、比較のため掲載しました。
    北埠頭橋での塩分は1.8%でした。
    
    右 オオノガイの奇形、左ナミガイの幼貝(確認中)       同左写真 内側 
       (比較のため、殻表の感じはやや似ていますが内面の歯の状態は異なります)
  午後からの同好会で、水産試験場の仕事をしていらっしゃるN氏より、羽田沖のアサリ漁の際に採れた生貝の
  標本を元に発表が有りました。   
  
   写真 左上からモミジボラ、コロモガイ、ネコガイ、エゾタマガイ、ツメタガイ(ホソヤツメタ)、アカニシ
    中段 ツキガイモドキ、レイシガイ、下段 ビノスガイモドキ? 
   大井埠頭の直ぐ隣りが羽田空港ですが、運河の直ぐ外側には色々な貝が生息している事が良く分かりまし 
    た。
    現在の東京湾奥、どんな貝が見られても不思議ではないと云っておられました、それだけ東京湾奥も回復し 
    ています。
     運河の中の貝は30年前7種類だけでした、20年前で10種、10年前で25種、現在では77種となって
    います。10年前、私が観察を続けられるうちで50種は行かないのではないかと、この頃には本気で思ってい
    ました。
    現在、この内、埋立土砂から見られる貝はコロモガイ、ネコガイ、エゾタマガイが有ります。昨年運河内で見つ
    けたツキガイモドキの半片は埋立なのか、何処から持ち込まれたのか、現生で有るのかどちらか不明です。
     コロモガイ、ネコガイも30年前から埋立土砂の貝として今現在も打ち上がっています。
    ネコガイは生時は殻皮があるので死直後で有れば現生として確認出来ますが、殻皮がないと判別は不可能
    と思っています。
    コロモガイは生きていない限り判別は全く不可能と思っています。
     死んだ貝でも、殻表に殻皮の有無で現生か埋立土砂かの判断は付きますが捨てられた貝は産地が大幅に
    違うか、色々な貝がまとめて落ちているかで判りますが単独では判断出来ないものも過去の経験から有りま
    す。
     この様な情報を頂けると今後の観察にも非常に役に立ちますし、うれしく思います。
  7月19日
     今日は、北埠頭と中央公園の両方を
      北埠頭では、前日に引き続きナミガイの幼貝?を、そしてネコガイも(多分埋立の方から)、その他今日は
      新鮮なレイシガイと壊れたクボガイ(北側の浜)、やや新鮮ですが壊れたヨウバイ(何時もの浜)で見つけま
      した、レイシガイ(先々週にヤドカリでやや新鮮なものを見てはいます)はヤドカリで見たものと同じ大きさ 
     ですので又、温排水を挟んだ北と何時もの浜と場所が離れていますので、此処で育ったものではないかと 
     見ています。ヨウバイは壊れていましたが初めての出現です。 昨年見つけたテリザクラ、サビシラトリの  
     幼貝も今年は見つける事が出来ません。キセワタも、もう望み薄です出現は未だ不安定の様です。     
      
   レイシガイ、クボガイ、ヨウバイ          中央公園で 左 カガミガイ幼貝、 右 ツキガイモドキ幼貝
                                    (比較のためカガミガイの幼貝を掲載)
  中央公園では右上の写真の様にツキガイモドキの小さな半片を一つ、昨日の同好会で羽田沖にツキガイモドキ
   が生息している事が判りました、今日採集した半片は新鮮で非常に小さく、捨てられた貝ではないと見られます
   また小さい故に此処で育ったものと思っています。情報が直ぐに役に立ちました、ありがとうございました。
   その他には、ヒメマスオガイの打上は今日は見られませんでした、今年、初めて現れた貝ですのでこのまま見 
   られなくなるのか季節的に現れるのかも未だ判りませんし観察は必要と思いますが現状ではもう今年はこれで
   終わりかなとも思っています、来年も現れてくれればと思っています。
   塩分は、両方共に2.3%でした。

7月24,25日
   両日も小潮のため潮の引きも悪く、状況は先週と変わりませんが、北埠頭橋でもキヌボラが出ました、但し壊れ
  た状態です。24日は殻頂部を25日は殻口部を二つは壊れていましたが一部分が一致するので同一個体が壊れ
  た貝のようです。
  埋立前の金沢八景、金沢文庫では良く見られた貝ですので今後増えるのではと思っています。
   北埠頭橋の所でのクレハガイは殆ど見られません、昨年良く見られたイソギンチャクも今年は見られませんので
  そのぶん、生息数が減ってしまっているかもと思っています。
   その他、釣上げられた10cm程のミドリイガイに稚貝が何種か付いていました。24日見た時はなかったので
  昨日の夕方から今日の午前中の間で釣上げられたようです。
    
   中央2個がキヌボラ、左は同じ様に壊れたアラムシロ    ミドリイガイ稚貝 右端はムラサキイガイの稚貝
   右は三浦半島葉山産のキヌボラ               北埠頭橋では稚貝が見られるのは
                                     毎年12月のみでしたが現在の時期で
                                     見られる様になったのは最近です。 
                                     別系統ではないかと見ています。
                                     この大きさではまだ緑色は有りません。
     
   ウスカラシオツガイ 稚貝             キヌマトイガイ 稚貝
  24日の塩分は北埠頭橋 1.8%、 中央公園 2.3%でした。
  25日の塩分は北埠頭橋のみです 2.5%でした。 
  今年は京浜運河の中、大きな変化が見られています、1996年に匹敵するような変化と思っています。
  1996年の時は江戸川放水路、三番瀬に棲むような内湾性の貝でしたが、今年は、東京湾外湾またはその近くに
  生息するような貝が多く現れています、又ホソウデオサガニも現れています、何か東京湾奥に向かって貝が押し
  寄せているような感じです。 砂浜の動きもまだ見られますし、東京湾奥に外海の水が強く流れて来ている様な 
  気がしています。
  訂正 
  キヌボラを生息記録種として2004年4月に追加しました、全記録種は78種となります。
   確認出来ないとしていた種ですが北埠頭橋でも確認しましたのでこの時点で追加致しました。
 
2004年8月5日
   山口、広島へと家族で旅行へ行っていましたので更新遅れました。
    貝の方は安芸の宮島と広島の呉の方の大久野島で採集しました、と云っても全て打上の死貝のみですが。
    台風とほぼ同時の感じでしたが、風も雨も殆どなく、錦帯橋では、川の水も透明で鮎がヒラをうっているのが橋
    の上から見えました、又ロープウェイも通常通り動いていました。
    安芸の宮島では、あいにく雨になってしまいましたが風がなかったので打上貝の観察と採集をしました、
    ホソウミニナとオチバガイが多数、砂の状況が関東地方と比べると随分違う印象を得ました。
    大久野島では、台風2〜3日後で絶好のロケーション状態でかなり楽しみにしていましたが殆どが護岸で砂浜
    が殆どなく、打上貝の観察と採集出来る場所は極く限られた場所しか有りませんでしたが、それでもそれなり
    の貝は少し採集して来ました。 アシガイ、サクラガイ等 詳しくは次回の更新時に。
     生貝では、スガイとイシダタミが非常に多く見られましたが、今回は観察のみで生貝の採集は全くしません 
    でした。
             
         安芸の宮島            大久野島 海水浴場 上げの時、引きでは大きな砂浜に
    瀬戸内海では、潮の満ち引きが関東地方と全く違っていて、私の腕時計のタイドグラフでは関東で最干潮時 
    は瀬戸内海では最満潮の状態で全く逆でした、又干満の差も関東に比べると非常に大きい事も良く分りまし
    たし潮の流れも速いのが肉眼でもはっきり見られました。        
   8月5日 運河の水は思っていたよりもきれいでした、今日はあまり引いてはいませんでしたが、打上貝は多く
   上がっていましたが大した貝はなく、ナミガイ?の幼貝合弁1とヒメシラトリ合弁1、ウチムラサキ合弁3ぐらいでし 
   た。 
   今回行った瀬戸内海の場所と比べると打上貝は多いのですが種類は有りませんのでどうしても単一なものに
   なってしまいます。それにしても運河も瀬戸内海の3m程の干満の差があると、もっと面白い観察が。
   
  2004年8月8日
    運河は小潮で最干潮でも砂浜は小さい状態です、貝の方は上げ下げの潮位差が余りないので、何時もの種
    類ばかりですが、ムギガイの新鮮な個体、ウチムラサキ、ウネナシトマヤガイ半片程度でした、その他アサリ 
    のやや奇形が、ウチムラサキの幼貝が見られるようになって来ました、昨年までの状況では5月末頃から6月
    にかけて見られる位の大きさですが、今年は1月半程遅れています。北埠頭橋の塩分は2.3%で中央公園も同
    じでした。
       
     瀬戸内海での採集貝の一部               運河の貝 左からアサリ、ウチムラサキ ウネナシトマヤガイ
     バラフマテアカマテ、アシガイ                                 ムギガイ
      ナミマガシワ、クチバガイ、マルミミエガイ                
      オハグロシャジク、ムカドツノガイ(ヤカドツノガイ)
      瀬戸内海で採集した一部ですが、クチバガイが多く見られました、芸南の海産貝類図鑑の貝全ては見ること
      は出来ませんでしたが、海がきれいでしたので貝の色彩もきれいに感じました。貝類図鑑は見易く又、  
      随所に要点、生貝の写真と、長年月に渡ってとても良く観察されているのが感じられました、すばらしい
      図鑑と思います。

  2004年8月15日
  昨日は、貝の会で三浦半島の長者ヶ崎へ、天気が良過ぎて暑かったですが、色々な貝に出会いました。
    運河の貝を見ているとどうしても単純ですので、今は運河以外であれば何処でもすごいなーと思ってしまいま
    す。 確かに昔の頃の三浦半島に比べると種類数、貝の数そのものも減っているのは分かるのですが、それ
    でも感動しています。 
     採集したのは、何れも打上でヒメアサリ、ベニイモ、タカラガイの幼貝を。
     瀬戸内海で出会えなかったタカラガイが沢山見られます、同じような場所で、何故瀬戸内海でタカラガイに
     出会えなかったのか不思議に感じています。
     今日は昨日までの暑さが嘘の様に涼しく、雨も降っていましたが、潮も引きますので、やはり気になって
    徒歩で(と言っても12分位ですが)行って来ました、ウチムラサキの幼貝はまだ上がり続けています、それと
    ヒメシラトリの合弁、ホンビノスガイの1cm程の幼貝が数個打上げていました。
    今年は春先にこの大きさのホンビノスが殆ど見られませんでしたので来年は4cm以下のホンビノスガイは減少す
    ると思っています。
    今年はクレハガイがかなり減少しています。北埠頭では見つからなくなっています。 中央公園の方は
    時たま見つかりますがやはりかなり減少しています、貝の増減にも周期性があるようですので更に続けての
    観察が必要と思っています。
     今日は、北埠頭橋のみで塩分は雨のためか1.25%と下がりました。 
 
  2004年8月22日
     久しぶりに中央公園に、シオフキガイの幼貝(5〜15mm)が結構うち上がっていました、それとソトオリガイの
    幼貝が、そして中央公園では又新たな種類が、カイコガイダマシ死貝ですが新鮮なものを採集、前回の時、
    白化したものを見つけていましたが埋立の土砂からの貝と見ていましたが違っていたようです。
    捨てられていたとしたら今日の方はもっと白化していなければと思いますので今まで生きていたものと思って
    います。 
    現在ヒメマスオガイの方は全く見られなくなりました。 中央公園での塩分は2.3%でした。
     北埠頭橋では、久しぶりにクレハガイの打上が1つ、それと北埠頭橋では2つ目となるキヌボラの成貝を採集
        
       中央公園で ソトオリガイ幼貝              北埠頭橋 クレハガイ、 キヌボラ
               カイコガイダマシ
     北埠頭橋の塩分は1.6%、中央公園と比較して薄くなっています。
     2002年の後半から塩分測定を始めて、2003年は中央公園の方が塩分は薄かったのですが、今年は逆転
     して中央公園の方が塩分が高目になっています、中央公園で新たな種類が見られるのは塩分が高い状態
     で動いているのも要因の一つと見ています。
      今後、大雨等で淡水の影響が大きくなると又種類数が減ってしまうと思っています、いずれにしても
     現段階ではぎりぎりの所で種類数が増加しているかもしれません。

  2004年8月29日
  今日は潮が引く日の日曜日です、毎週交互に大きく引く時と引かない時が繰り返されています。
     あいにくの雨でしたが、アサリを掘る人も、今日はアサリの死貝がかなり打上げていました、ミドリイガイの
     大きな個体の打上が多く、8〜10cm程のものがかなり見られました、木の杭の所では少し前まで大きな  
     ミドリイガイが中心に見られていましたが、3cm位の大きさのミドリイガイが部分的に多く付着していました、世代 
     交代のようです、この大きさは昨年の11〜12月頃生まれたものが成長して来たものです、今年の7月の写 
     真の稚貝とは違って、初期に入って来た系統のものです。
     その他、ヒメシラトリ、ウチムラサキ、ホンビノスガイ幼貝、ホソマキギヌ、イトカケギリ(新鮮に見えるけれども
     埋立土砂?不明)等、今日の塩分は1.8%でした。
      中央公園は休みました。
        
     中央 ウチムラサキ幼貝 他アサリ幼貝   ウチムラサキ幼貝 拡大 アサリノ様な放射肋は有りません
        
    上段 ヒメシラトリ、下段ホンビノスガイ幼貝

 2004年9月5日
  昨日は東京地方に大雨洪水警報が出る程のかなりの雨が降りました。 運河の中は雨の影響を受けて直ぐに
  塩分が薄くなります、アサリの大量死が心配でしたが、やや見られたものの昨年の台風の時よりは影響はなかっ
  たようですが短時間だったからかもと思っています。
  今日の北埠頭橋の塩分は0.5%と今までの観察では2番目に低い値でした、かなりの雨が一晩で降ったようです。
  中央公園の方の塩分は1.1%と何時もより薄いもののまだ塩分は残っているようでした。北埠頭橋と中央公園の距
  離はほぼ3Kmです。
    
   北埠頭橋の打上貝、すじ状になった所全て貝です     中央公園でマテガイの幼貝とタクミニナ(壊れ) 
   かなりのアサリが、中にはまだ生きているものも少し    こちらの方は貝の打上も少なくアサリも死んだ
   混ざっていました。                        様子は有りませんでした。
    左端にカモが2匹、珍しく訪れていました。

 2004年9月12日  
  北埠頭橋では先週の名残lのアサリがまだ沢山打ち上がっています、その中からヒメヒラトリガイ、ウチムラサキ
  の幼貝、ウチムラサキの大きな破片が10cmを軽く越えるようなウチムラサキですが、これは埋立土砂の方から。  
  久しぶりにハゼ釣りをしようと思ってゴカイを掘って見ましたが殆どいない状態でした、石の裏は黒くなって何もい
  ない状態で生気が殆ど見られません、先週の雨での影響のようです又、砂浜がまだ少し変化していますので貝 
  の付いたごろた石も砂に埋もれたり、また現れたりとしている状況も大きく影響しているのかも知れません。
   塩分は1.4%でやや高くはなりましたが水の色は悪い状態でした。ハゼも殆ど釣れていなかったようです。
   中央公園の方は、砂の動きも殆ど無くゴカイの穴も沢山有り、先週の大雨の影響は殆どなかった様です、久し 
  ぶりにヒメマスオガイの合弁が一つだけ打ち上がっていました、その他カガミガイ、ホンビノスガイ、シオフキガイ、
  ヒメシラトリ貝の幼貝が打上げていました。
  塩分は1.6%と先週と同じでした。
   先日、三番瀬Do会議の方から、ホンビノスガイの件でメールを頂きました、その時に7/4日のカイメンについて
  名前を教えて頂きました、 このカイメンの名前はナミイソカイメンという種類で三番瀬でも見られる種類との事で
  した、カイメンも種類が多く専門外だと同定する事は殆ど不可能と思っていましたが、お教え頂いて又一つ憶える
  事が出来ました、たとえ地域が違っていても同じ東京湾奥の観察をしていらっしゃる方ならではの情報と思ってい
  ます。又大変うれしく思っています。
      2004.7/4写真の再掲  

2004年9月20日 
  昨日は貝の同好会の会合でした、その時に又、羽田沖のアサリ漁時に混じった貝を見せて頂きました。
   その中には、サクラガイ、チゴバカガイが、チゴバカガイは外海の貝ですがやはり潮の流れに乗ってきているよう
   です。 サクラガイは東京湾奥では見られない貝と思っていましたが羽田沖で育っているとは、運河の中でも
   そのうち見つかるかも知れません、楽しみにしています。
    今年は、運河の中にも外湾に住むようなカニ、貝と何故か現れています、潮の流れ込みが強いのでしょうか、
   砂浜が流された2年前からずっと続いているような気がします、砂浜はまだまだ動いていますが、最近少しだけ
   最上部の動きが小さくなって来ています。
    でも、これらの生き物が育つ事が出来るまで回復しているかもと思っていますが、大雨があると一挙に悪くも 
    なってしまいます。
   今日の北埠頭橋では、まだ先日の大雨の影響で死んだアサリの殻が沢山打ち上がっています。特に記述する
   様な貝は有りませんでした。
    大井中央海浜公園では、クダタマガイが、ここ何回か通って3個ほど見つけました、今日の殻はかなり新鮮で
   少し壊れていますがスジ状の螺溝がはっきりしています。 以前の2個は、一つは白化、もう一つは内部が新鮮
   でした、ここで育ったと思っています、又最近ムシロガイの新鮮な死殻が見られるようになりました、昔から埋立
   の土砂からの貝でしたが、新鮮な死殻は全て幼貝です、また北埠頭、中央公園共に見られているのでやはり
   新たに入って来たと思っています。
     
   クダタマガイ                     ムシロガイ 左 新鮮な殻、 右 埋立土砂からの打上殻
   今日の塩分は 両方共に高くなって2.5%でした。
 
2004年9月26日
   まだ、北埠頭橋では打上げられたアサリが沢山見られますが、アサリを掘っている人も、ただあまり取れなかっ
   た様です。
    今日は珍しくヒメシラトリガイが4個打ち上がっていました、今年はかなりの種類増が見られていますが従来か
   ら見られる貝が少なくなっています、クレハガイ、アラムシロガイ、ヤマトシジミが良く打上で見られましたが今年
   は少ない状態です、また昨年良く見られたイソギンチャクが見られません。
   今日の塩分は1.4%でまた下がっています。
    先日、大井埠頭の外側の城南島公園に行きましたが、ホンビノスガイの稚貝が沢山打ち上がっていました、 
   ちょうど去年の北埠頭北側の浜での状態と同じ様でした、来年は城南島でもアサリに混じってかなりの数が見
   られると思います。(詳細は城南島の方へ掲載しています
    城南島へ行って気が付いたことが有ります、アサリの殻の形態が横に細長く、運河内と比べると平均的に  
   は、かなり違います、やはり何時も波が押し寄せている状態からかとも思います。 同じ大井埠頭でも運河内の
   中央部のワンドの中にある中央公園では平均的にかなり丸い感じです、北埠頭橋では、その中間的なものが 
   多く見られています、砂浜が直接、運河そのもの中にあるからと思っていますが生息する環境で形態は同じア 
   サリでも違ってしまうようです、 以前天橋立に行ったときも外側で見られたアサリは横に細長く運河内と随分
   違っていると感じましたが、波のある所では横に細長くなる様なきがします。
   今日は、中央公園休みました。
   
 2004年10月3日
  今日は、用事と大雨で観察は休みました、 3月に採取した中央公園での貝のラインの砂を実体顕微鏡で久しぶ
  りに見て見ました、運河内では顕微鏡を用いて見るような貝は殆どないのですが、もしかしたらヒメマスオガイが見ら
  れたのでウメノハナガイモドキも現れるかなと思って採取していておいたものですが結果は無しでした。
  未だ運河の中には来ていない様です。
   時々ふるいを持って運河に行きますが、貝混じりの砂を見ても何もないような気がして、何故か使う気にならず 
  にそのまま使わずで終わってしまいます。
           
   貝混じりの砂から出てきた貝、右2個はウミゴマツボ(エドガワミズゴマツボ)、左 クリイロカワザンショウガイ
   クリイロカワザンショウガイは巻いている境目の直ぐ下に1本の細いラインがあるのが特徴です。
   ウミゴマツボは殻がやや押しつぶされた感じで口が特徴的な感じです。中央公園では初めて見ました。
   その他、いずれも白化したコメツブガイ、ヒメコメツブガイ、スズメハマツボ?、チゴトリガイ、アオモリマメヒガイ
   これらは埋立土砂の貝のようです。

 2004年10月9日、10日
  9日 台風の直前でしたが、午前中は未だ遠くでしたので塩分だけはと思って北埠頭橋へ塩分の結果は0.3%  
   とかなり低く現在までの最低、私の塩分計での最小表示でした(これ以下は測定出来ない状態)
   台風の前も結構強い雨が続いていましたので、台風直前の状況を確認したかったため採取して見ました。
  10日 台風はかなり強い雨も有りましたがスピードが速く行き過ぎました。北埠頭橋での砂浜の状況は10cm程 
    減少していましたが何時もと同じような動きの範囲内でやや安心。
    貝の方は、昨日より打上個数は減っていましたが、ホンビノスガイの稚貝が何時もより多いのと、ヒメシラトリ 
   の合弁1個位でした。 塩分は台風前と変わらず0.3%でした、でもアサリがこの塩分で生き残れるのかちょっと
   心配です。  
    ホンビノスガイの稚貝が見られたのは昨年は、1,2月の寒い時期でしたが今年は今頃見られています、まだ
    繁殖期間が定まらないのか(今年の初めには殆ど見られませんでしたので) 中央公園、城南島も皆同じ大き
   さで見られています。
    中央公園では、ハゼ釣りの人にハヤ(ウグイ10〜15cm)が3匹釣れていました、多摩川から台風の大雨で流さ
   れて来たようです、でも中央公園で川の魚が釣れていたのを見たのは初めてでした。
    塩分は0.4%と僅かに高いですが中央公園での最低値でした。

   その他、何時もカバンを置く石に生きたイシマキガイが5個体もいました、アマオブネガイが打上で見られていま
   すので気になって中央公園では石についていないか見ています、又新たな種類が増えたと写真を撮ってから
  何故いつも見ている石で?と不自然に感じて周りを探しても他には見つからず、少し離れた3箇所石の多い所 を
   良く探して見ましたが見つかりませんでした。(探している途中では2個体目の発見となるアラレタマキビがこちら 
  の方はやがて定着種になると思いますが)
   どうやらイシマキガイは生きているものを放したものと思われます。最近、水槽の苔取り用の貝として生きたもの
   が売られているみたいなので、これが真相かも知れません(余りにも突然の複数個体の出現と今までの観察結
   果では、ちょっとそのまま受け入れる事が出来ないので)   
       
  イシマキガイ3個体(誰かが水槽用のを?) 右上 アラレタマキビ(2個体目)
                                        左下 タマキビ
 2004年10月11日
  今日も、塩分が低いので気になって北埠頭橋へ、昨日よりも打ち上げも多い状態でした、アサリは生きた個体が
  少し混じって打ち上がっていました、ホンビノスガイの稚貝も結構見られ、こちらの方は口を硬く閉ざして 99%は生
  きた状態です。貝の方は上記とムギガイ(極新鮮な死貝)、ヒメシラトリ、イボニシ各1個。最近ヒメシラトリガイが良
  く見受けられますがクレハガイは見つける事が出来ません。
  気になった塩分は0.4%でした、今日の流れは、近くの目黒川方面からの淡水の影響のようです。

 2004年10月16日  
   塩分は1.25%に上昇しました、まだ普段と比較して薄いですがかなり戻った様です、但しアサリの打上量は
  先週と同じように多く見られました。
  ホンビノスガイの1〜2cm位の幼貝も結構打ち上がっていましたがこちらは全て生貝で打ち上がっていました。
  その他、レイシガイの新鮮な殻が1個、それと最近、ヒメシラトリガイが良く打上で見られるようになって来ていま 
  す、ウチムラサキの幼貝は見られなくなりました。
   クレハガイは北埠頭橋で8月に打ち上がったものの以降打ち上がりません、今年はかなり減少しています。
 2004年10月17日
  貝の方の例会で、観察は休みました、7月に採集したナミガイの幼貝?持って行き同定をお願いしました。
   北アメリカで似たような貝もあるとの事で検討をお願いしました。

 2004年10月24日
  23〜24日にかけて徹夜で仕事、24日帰宅して寝たものの良く眠れず、結局、台風の影響も有りましたので
   気になって出かけてしまいました。 帰ってきて結局寝てしまって更新が遅れてしまいました。
   北埠頭橋での貝の状況は死んだアサリがかなりの数打ち上がっていました、その他は3mm程度のカガミガイ 
   の稚貝が1個、北埠頭橋ではカガミガイの稚貝は初めてです。 
   ホンビノスガイの幼貝は生きたまま結構打ち上がっています、昨年はこの場所では少なかったのですが
   今年は増えています、でも来年の潮干狩りが始まる頃では今年と違って、まだ小さいものと見られます。
   塩分は0.6%と低い状態です。  10月は降雨量が記録的となっているそうですが、運河の中の塩分も低い状態
   で推移しているようです。
    中央公園では、前回の台風では大量のホワイトボールが見られたものの、今回の台風では見られませんでし
   た、こちらもカガミガイの2〜6mm位の稚貝が少し打ち上がっていました、こちらの方が砂浜として安定して
   おりますし、砂質もカガミガイの生息には合っていますので定着するものと見られます。
   塩分は0.7%とほぼ北埠頭橋と同じようでした。
   今月に入って長期間の低塩分状態が続いていますが、運河の住民に影響が出ないか心配しています。
 
  2004年10月31日
  北埠頭橋で3個体目となるイナザワハベガイを打上で採集しました。
 
              3個体目のイナザワハベガイ          2002年10月6日に見られた運河内の潮目   
     イナザワハベガイは昨年11月に見られて1年ぶりですが最初の個体から見ると間隔が狭くなっています、今後、
     見られるようになるかもしれません。
      他には、ヒメシラトリが2個体打上で、最近ヒメシラトリが良くみられます。
      北埠頭橋での塩分は1.25% 、中央公園ではツキガイモドキの新鮮な半片、そのうち合弁の状態で見られるか
      もと思っています。塩分は1.1%と久しぶりに北埠頭よりも薄い塩分でした。
  北埠頭橋に近い場所のCODが発表されていました、2002年 14mg/l、2003年 5mg/lとかなり変動しています。
   2002年は砂浜が流された年です、2003年も運河内の潮の流れ込みの強い状況が続いていましたので、2002
   年の高いCODは運河の底に溜まった汚れが巻き上がったためではないかと思っています、2003年は汚れも
  あらかた流れ去ったため低い値になったと思っています。運河のCODグラフ
   上の右側の写真は2002年10月に運河の中で始めて見た現象です、この現象を見たのは、この1回きりです  
   が、運河に流れ込む海水と発電所温排水の間で出来たものと思っています、潮目が出来るほど強い流れ込み
   が生じていた訳です、2002年5月に急に現れて5ヶ月後の10月でもこれだけ強い流れ込みが続いていたわけで
   す、でも2004年10月現在も砂浜の頂点は動いていますのでまだ続いて様です。
   10月30日付け読売新聞で「100年後の影響 前倒し」と云う記事が掲載されていました、その中に"高波の被害
   につながる列島周辺の潮位も、過去100年間で最高のレベルが続いている・・・・50年後、100年後のに予想さ 
   れた現象が温暖化の影響が前倒しで現れている"と掲載されていました、北埠頭橋の砂浜はその影響をもろに
   被っているのかも知れません。
   
 2004年11月3日
  今日は用事もあり、行っては見ましたが潮位が高く、砂浜は少しだけ出ていましたが危ないので水を採取した 
   のみでした。 塩分は0.9%でした。
 
   
  塩分の測定データをグラフにして見ました、今年は8月以降、特に塩分が薄い状態が続いています、特に
   10月は台風もあったせいか2002年、2003年同時期に比べて著しく下がっています。
   11月5,6,7日と東京海洋大学で海鷹祭が開かれます、水産生物研究会の方からご案内を頂きました、
   ホームページを通じて御礼申し上げます。
  京浜運河の続きの高浜運河のチチブ他魚類の発表が6日1時より行われる予定ですが、残念ながら仕事の
  ため行かれません、展示の方を見させて頂きたいと思っています。 

  2004年11月7日  
  今日は東京海洋大学での大学祭の日でした、潮は朝の引き、北埠頭橋だけの観察で切り上げて。
  北埠頭橋の砂浜、何時も砂地の場所が何故か小砂利が沢山、何時もとやや違う感じ、少し増えてきた砂も又
  減ってしまった、アサリの殻の打上は相変わらず多く、他の貝が隠れてしまっている、そんな中、ヒメシラトリの
  半片、久しぶりのクレハガイ(殻破損、やや古く死んでから少し経過している様子)が一つ、ホンビノスガイ幼貝。
   塩分は1.1% やや上がった感じでもまだ低い様です。
  海洋大学の展示では北埠頭橋からほんの少しだけ北側にある高浜運河のチチブ(ハゼの仲間、釣り人の間では
  ダボハゼと呼んで外道扱いにされていますが)の生息状況等の展示が、水槽ではチチブとチチュウカイミドリガニが展示
  されていました、説明を受けて高浜運河にも多くの生き物が生息している事が良く分かりました、お礼申し上げま
  す。
   もう一つ興味深かった発表にやはり大学の所の運河のCOD測定、塩分測定のデータが発表されていました、
  私の測定している塩分データと頭の中で重ね合わせながら丁寧に色々の事教えて頂きました。
  やはり近くの場所なので塩分データは似たような感じになっていました。
   いずれの発表も時間をかけて丁寧にまとめられた結果が発表されていました。
   海洋研究会での頂いた会報の中でサンフランシスコ湾の状況のシンポジウムのまとめが発表されていました、
  私も以前、仕事の関係でEPAの方とお会いした事が有ります、その時、仕事には関係はなかったのですがサンフ
  ランシスコ湾はきれいになっていますかと思わず聞いてしまいました。
   御返事はニコリとして色々の生物が戻って来ていると自信を持って答えて頂いた事が強く印象に残っています、
  同時にうらやましく思った事を思い出しました。 

  2004年11月14日 
  昨日は関東地方でも木枯らし1号が、やはり今までと違って少し寒い、でも砂浜への人は減って踏み潰される貝
  もなく、ゆっくり見られるのもこの季節、でもこれからしばらくは昼間の潮の引きは弱く、そして冬場は、自然海岸と
  違って打上の種類は何故か激減します。
  今日の北埠頭橋では、打上数は多いものの最近は殆どがアサリの殻ばかりです、少しだけホンビノスガイの幼貝  
  が有りましたが、今日は合弁で死んでいる1〜2cmの殻がいつもより多く見られました、10月の塩分の低い状態 
  が続いたのが影響したと思いますが、その他はヒメシラトリの半片2個 塩分は1.5%少しずつ上がって来たようで
  す。
   中央公園の方も人はかなり少なくなりました、先日のイシマキガイは1個体のみが確認出来ました、表面はか 
  なり侵食されていました。
   その他、カイコガイダマシを1、カワグチツボを1個、カワグチツボは今年、北埠頭橋でも多く見られました、来年の
  春にも多く見られるようでしたら、定着不確定種から定着種にと思っています。
   中央公園での塩分は1.8%でした。
   私の所属する貝の会で三浦半島でほぼ毎日定点観察を行っている方が毎月観察情報誌を発行し、11月に100
  号を発行しました、この間8年4ヶ月、この間行けなかった日は10日位ではないかと思いますが、毎日のタカラガイ
  の打上数の記録、指標となる貝等の調査から相模湾へのタカラガイの幼生の供給と海流、各年度からの増減と
  すごい調査記録を作り上げました、その方には及ばないけれども何とか頑張ってと思っています。

 2004年11月20日、21日 
  潮の引きが夕方過ぎの引きですが暗くなってしまう前に運河へ、やはり潮の引きが弱く、中央公園も、北埠頭橋 
  も砂浜は殆ど出ていない状態、中央公園から廻って、あまり貝は有りませんでしたが、以前から見られている
  二枚貝でやや新鮮なものを、何時もは白化したものしか見られなかったので埋立土砂からの貝としていましたが
  現生か埋立土砂からなのか分からず21日に貝の同好会の集まりで化石に詳しい方に見て頂きました。殻の状態
  から現生ではないかと見られるとの事でした。 
     
  名前はまだ調べていませんが、現在の所、中央公園のみです。
   北埠頭橋では、砂浜がまだ動いています、先週誰かがハシゴの位置を中央に移動させていましたが、20日の
   日には中央部ではなく頂点の一番端の所になっていました、砂浜も小さい状態で少し見ただけで早々と退散、
   特に話題になるような貝も有りませんでした。
   塩分は、両方共に1.6%でした。
  21日は貝の同好会で少し早かったですが30年分の色々なデータをグラフにして発表をしました。
 
  11月23日  三浦海岸へ
   我慢できずに久しぶりに東京湾の入り口の三浦海岸へ、春に行った三浦海岸の状況を再度見に行きました。
     
  春に行った時より貝の打上の量は増えていました、上の写真は駅近くの浜から見た砂浜ですが、貝の打上
  ラインがずっと続いています、又、貝も微小貝が多く上がっていました。
   貝の方は、大きなネコガイ、オハグロシャジク、キヌボラ、クチキレガイ、オダマキガイ、ヒメネジガイ他イトカケガイ科の類、コフジガイの
   類、フジノハナガイ、トウガタガイ科の貝、マメウラシマ、ヒラカメガイ、ササノツユ等が春に行った時と比べると種類は増え
   ていました。 三浦海岸自体が良くなっているように感じられました。   
    漁師さんから声をかけられ、船を海に出すので船を押してほしいと頼まれお手伝いしました、こちらも海の様子
    を何時も見ている方ですので色々お伺いして見ました。
    昔は、台風の後、海岸には積もるように貝が打ち上がったと教えて頂きました、また昔は貝を拾っておくと
    貝殻を買いに業者さんが来て結構良いおこずかいになったそうです。
     最近少しだけ貝が打ち上がってくるようになって来たとも教えて頂きました。

    感心したことは、船を浜に上げ下げする時に枕木を使っていますが、その枕木に油を塗って滑りやすくしてい 
    ます、これに使うオイルには昔は魚油を使っていたそうですが、今は手に入らなくなってしまったのでてんぷら
    油を使っているとの事でした、現在で言う生分解性オイルと同じ様な成分です、石油系のオイルではなく自然
    と付き合える成分を使っていました、自然と向き合っての仕事の方は自然とのお付き合いも上手なのではと
    感じました。

  11月28日
  京浜運河へ、何時も見慣れていますが相変わらず貝の種類数が極端に少ない、でも中にはこれはと思うよう
    な貝も時たま現れますが今日は北埠頭橋ではタクミニナの少し壊れた殻が、この貝も少しずつ見られる間隔 
    が狭くなったような感が、その他は砂浜も今の季節では小さくこれはと思う貝は有りませんでした。
     中央公園も今日は何時もと同じ、今はソトオリガイも春に見られたヒメマスオガイも見られず、イシマキガイは先日の
     一匹がまだ見られました。
     塩分は最近雨が少ないためか両方共に2.5%と大幅に上昇しました。
     今頃は殆ど変化は有りませんので少し相模湾側でも、来週は葉山方面、再来週は鎌倉方面と予定していま
     す、運河はこの間はお休み。 三浦海岸の様に相模湾側でも最近急に色々な貝が現れていますので実際 
     に自分の目で確認をと思っています。
  12月3日
     今日は三浦半島葉山の海岸へ、夜間の低気圧の通過で台風並みの風と雨で海は大荒れ、貝は全て流さ 
     れて何もない状態でした、葉山へ行く途中で見た逗子海岸の岸よりは泥水の様に濁って大荒れ、採集物な
     し、海が治まれば色々な貝が見られると思いますが。
   
     写真の様に大きな波が打ち寄せていました。何時もの優しい海から一変しています
     運河の中ではこれ程の大きな波は来ませんが、大きな船が通ったときには小さな砂浜ですから波が当たっ
     た所の場所の貝は全て流されてなくなってしまう程の波が起きます。 でもしばらくすると流される前の貝と
     は別の集団と思いますが小さな波でまた少しずつ岸辺に打上げてきます。
     今日、お会いした方に、ダイビングをした時のお話しをお聞きました、海の中では10m位潜ると波の影響が
     なくなっているのが普通の状態、、最近は20m,30m潜っても強い流れがある、深い砂地の二枚貝が掘り起 
     こされていて砂地の上に投げ出されているのが見られている、何時もと違っていると云っておりました。
     東京湾奥への強い流れ込みと関連しているのかも知れません。
     来週の鎌倉海岸に期待。

   12月12日
  私の所属している貝類研究談話会のアウトドアでの鎌倉の由比ガ浜、材木座海岸の観察会に参加、先週に引
     き続き運河の観察は休みましたが、最近の外側の海の状況が掴めたらと思っています。
     前に鎌倉の海岸へ行ったのは、2002年10月27日でした、その時の状況は"過去の状況 2002年7月から" 
     に記載していますが余り良く有りませんでした、今回は前回と違ってかなりの種類が見られました、先週は
     海も上の写真の様に大荒れでしたので、その荒れの後という事もあったとは思いますが、2002年の時と比 
     較して、種類数も、そして中々出会えない貝にも会う事が出来ました。
      やはり外海は内湾と違って、たまに行くと種類数も個体数も多くいいなぁと何時も感動しています。
      採集貝は、カバザクラ、サクラガイ、オオモモノハナガイ、モモノハナガイ、サギガイ、キサガイ(半片)、イソマイマイ、オオシイノミガイ、  
     オダマキガイ、シノブガイ、セキモリガイ、オオネズミガイ、ハナゴウナ半片ではダンダラマテ、バラフマテ、フスマガイ、その他ミガキモミジボ
     ラの生貝が上げ潮の波に乗って後から後から打上げて来ました、こんな経験は初めてでした。
      会員の人では、サガミコフジガイ、ハザクラガイ?、その他珍しい貝を採集されたようです。
     鎌倉海岸の方も貝の方は復活し始めているのかも知れません。      
      家に帰宅したのが4時過ぎ、曇りの日でしたのでもう薄暗い状態でしたが砂浜の状態がどうなっているの 
      か気になって運河へ、満潮時なので砂浜は水の中でしたので、上から塩分測定用の水だけを汲んで、
      砂浜は、先々週と位置は同じでしたがやや低く、貝も水を通して沢山見られましたので今日は水がきれい
      で鎌倉の海の水と違わないなと薄暗かったせいもあるかも知れませんが感じました。
       塩分は1.8%でした。
          
           由比ガ浜                         採集した貝  
                                       オオネズミガイ  ミガキモミジボラ キサガイ
                                                         オオシイノミガイ
                                       ミゾガイ   カバザクラ(2個)   
                                       イソマイマイ ゲンロクソデガイ  モモノハナガイ クチベニガイ
 
  12月19日
     3週間振りに運河へ、さすがに鎌倉方面の海は貝の種類も豊富、運河の貝がさびしい、相模湾方面の貝は
     2003年から急激にオオシイノミガイの大量発生等、回復基調になって来ています、運河と比べると丸1年早
     く変化が見られていました、運河では1年遅れの2004年になって変化が現れ、外海に近い種類が現れてい
     ます、この変化の要因が2002年5月北埠頭橋の所の砂浜を流がし、今だに運河の砂浜に影響している高潮
     に起因するのではと感じています。、そんな状況を先日の三浦海岸(東京湾側)と鎌倉(相模湾側)と自分の目
     で見てきました。
      冬の運河は昼は余り引かない時なので、多くの情報は得られませんが、北埠頭橋では、アサリの打上の
     殻の間にホンビノスガイの1.5cm〜2cm位の生きた幼貝が混ざって打上げられていました。
      中央公園では写真の様に、ソトオリガイの幼貝、オダマキガイ、クダマキガイの類、ムギガイ、ツキガイモドキ、マメウラシマ、
     キヌボラ等が打上がっていました。 塩分は両方共に2.5%でした。
     
       
 12月23,26日
  今日は、北埠頭橋のみ、又、砂浜の動きが少し活発になった様な、23日は砂浜の砂が軟らかく、フワーとした感
   じでした、26日は砂浜が少し移動、貝の方は、引きが弱いので砂浜も小さく、殆どがアサリ、コウロエンカワヒバ
   リガイ、イガイダマシの殻ばかりで、特に目だった貝は有りませんでしたが、何時もの浜では昨年と違ってホン  
  ビノスガイの幼貝が良く見られるようになりました、現在の大きさは1〜2cmぐらいです。
    釣り人の話で最近こんな事があったと教えて頂きました、潮が引いている時間なのに、水位が非常に高く、満
   潮時の高さよりもまだ高いと皆で騒いでしまったと教えて頂きました、少し落ち着いていた砂浜でしたが、また 
   高潮の影響が出始めた様な。
    塩分は、23日2.5%, 26日1.6%でした。
   今年も後1回ぐらいか、次の更新では今年1年間のまとめをと思っています。

 12月31日
   今年は大きな変化が見られました、下のグラフは各年度に記録された新たに見られた貝の
   種類数を表してします。
    
   2003年までの最大変化は1996年です、この時は前年に目黒川への下水処理水の放流が起因に
    なっています。2000年のやや小さいピークは、立会川へ東京駅の地下水を放流した事が起因になって
    いると思います。
     2004年は1996年と同数の変化ですが内容は全く異なり、1996年は内湾の貝が増えましたが、
    2004年では東京湾外湾又はその近くの外湾に棲むような種類が増えました、これには、2002年5月に
    北埠頭橋の砂浜が流されるといった高潮で東京湾奥まで潮が流れ込んでいる影響が2004年現在も続
    いている結果が今年の変化と見ています。
     三浦半島でも同様に2002年から砂浜の砂の移動が見られ2003年からオオシイノミガイの大量発生して
    います。又、東京湾側の三浦海岸、相模湾側の逗子、葉山、鎌倉等でも貝の種類、個体数が増加して
    いるようです。
     それに比べて運河では、2003年は1種類の新記載種の増加に過ぎませんでした、この年確かにアサリ、
    ホンビノスガイの大量発生は有りましたが、その他には余り変化がなかった事になります。
    京浜運河は、東京湾奥のために1年遅れで変化が出た、そんな年であった様に感じています。
    来年は、今年の変化を受けてどの様に変化が見られるのか楽しみにしています。

  
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